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希望 第二話「家族に優しくなった」

 家族に優しくなった。

 まず、弟を叩くのをやめた。俺は他人を叩けるような強い人間ではないと悟った。母にひどいことを言うのもやめた。学校のことを家で当たり散らすようなみっともない人間にはなりたくなかった。

 米を炊いたり、部屋の掃除をしたり、家事の手伝いをするようになった。そうすることで、情けない学校生活を帳消しにできるような気がした。

 家族は、俺の学校でのことを知らない。言うつもりはない。

 家では嫌なことがない。それだけでいい。

 あいつらさえいなければいいのに。

 母が仕事から帰ってきた。気付いたら2時間も米を研いでいた。