希望 第一話「嫌な目に一つも遭わない日」

 嫌な目に一つも遭わず学校から帰れたら、その日はカレンダーに丸を打つことにした。

 しかし、そんなことはお構いなしに、毎日嫌な目に遭う。机に伏せていた頭を叩かれる。教室でボールを投げつけられる。授業中に意味もなく名前を大声で呼ばれる。

 大それた望みだとわかってカレンダーのことは忘れる。いつになったら「嫌な目に一つも遭わない日」が訪れるのだろうか。

 オアシスの『ストップ・ザ・クロックス』を買ったら、誠一に貸す約束をした。3週間がとてつもなく先のことに思える。それまで生きられる気がしない。