母さんの着エロです。

「もしも~し。久しぶり。東京はどう?元気でやってるの?」

「まあ~。まあなんとか。母さんこそどうなの?仕事辞めるとか言ってたけど」

「仕事なら辞めたよ」

「へえ、辞めたんだ。代わりに何か始めたの?」

「そうそう、着エロ始めたの」

「え?」

「着エロよ着エロ。あの、壇蜜とかの」

「どういうことだよ」

「着エロにどうもこうもないじゃないの」

「いやいや、もう全体的にわかんねーよ。何?DVDとか出してんの?」

「着エロよ~~!母さんの着エロ!」

「なんなんだよ」

「世にも奇妙な母さんの着エロ!」

「母さん?」

「あなたを育てた母さんが、あの母さんがついに着エロになりました!」

「ちょっとどうしちゃったの?」

「母さん剥いちゃいました。着エロ~!」

「母さん?ねえ母さん!」

「母さんの着エロで!母さんの着エロで息子は勃起するのかしら!」

「なんだお前、誰だよ。母さんじゃないだろ」

「母さんでーす!!更年期が完全に裏目に出ちゃいました!!」

「更年期?更年期障害ってこういうことなの?厄介すぎるだろ」

「厄介な着エロ母さんでぃ~す!!恥ずかしくて街中歩けないでしょ!

 お前の母さん着エロやってるんだよ!!恥ずかしげもなく乳首透けさせてんだよ!」

「うわ、着エロのディテール聞きたくなかった」

「母さんの着エロDVD、副音声ではタカシに向かって話しかけてまーす!」

「DVDになってるんだ。しかも俺に向かって話しかけてるってどういうこと?」

「股間に接写するシーンで『ここがタカシの産まれてきたとこです!!』とかね!!」

「こんなに悪いことあるかよ。おいババア。もういっそのこと死んでくれよ」

「なんてひどいこと言うの!?でもタカシ!そういうところがいいわ!

 監督、今のところちゃんと録れたかしら?…OK?いいわタカシ!もっとちょうだい!」

「監督?え?なに母さん、今撮影してんの?これもしかして、AVとかでよくある、

 行為に及びながら知り合いに電話するやつ?すげー!こんなこと実際にあるのかよ!」

「タカシ、今どういう気分?」

「なんか興奮してきた!俺の好きなシチュエーションじゃねぇかよ!!!

 すっげ!!!すっげー!!!俺が憧れの渦中に!!!!!!!!!!!!!

 おいババア!!お前なんてことに息子を巻き込んでんだよ!!!死ね!!!」

「そうそう、もっともっと!!!」

「ババア!!産まれてきたこと後悔してるよ!!!」

「いい!!!!!なぜ!!??」

「お前、こんな顔で産んでくれたからろくにモテねぇじゃねぇかよ!!!!!」

「OH!!!!」

「東京の飯はマズいしよ!!!バイト先ではハブられてるよ!!!」

「気持ちいいわ!!!!大学生活はどう!?」

「4月から1人も友達できなくて、もうろくに学校行けてねぇよ!!!!!!

 どこに行っても友達できるようにちゃんと俺を育てろよクソババア!!!!!!」

「あーー!!!!!反省してます!!!反省してます!!!!!

 タカシをちょっと過保護に育ててしまった部分はあるわね!!!

 だからずっと心配だったのタカシ…。ようやく本当のことを話してくれた…」

「ど、どういうことだよ母さん…」

「普通に電話したらちゃんと話してくれないと思ってね。ちょっと無理したわ。

 こうやったらタカシから本当のことを引き出せるんじゃないかって…」

「え、演技だったの?…母さん。ごめん……。俺、もうダメみたいなんだ。

 東京に来てから何もうまくいかないよ…」

「わかった。来週、そっちに行くから。

 タカシの好きな、クリームシチューを持って行くよ。待っててね」

「母さん……」

「ちなみに、母さんの着エロDVDは本当に発売されます」

「やっぱ死ね」