ここまでの人生のあらすじです。の続き 仕事を辞めた その1

 仕事を辞めた経緯について書いていく。

 同期入社は9人いて、自分以外の8人はまだ働いている。

 入社するとまず「社会人の何たるか」をひたすら聞くウンコ研修があって、それが終わると番組に配属される。最初は、特番を制作する班に配属された。半年間でテレ東のカラオケ特番とその続編、旅番組(編集だけピンポイントで)を担当した。その後の半年で、フジテレビのゴールデンのクイズ番組と年始のスペシャル番組を担当。そして2年目で日テレの深夜番組に就いて、半年ほどで辞めることになる。

 

 辞めた理由は、これを書いてる段階でまだはっきりしない。

 仕事が内容的にも拘束時間的にも辛かったのは確か。最後の番組では月に1、2日休みがある程度で、1週間に1度帰宅できるかどうかだった。この仕事を始めてからは、多少時間が空けばタクシーを使ってでも帰宅するようにしていたのにそんな調子だった。月間の労働時間にして450~500時間になる。

 そんなことになってしまった理由はいくつもあって、まずはここについて書いていく。理由は大きく分けると2つ。業務内容と、それを受けるチーム体制。

 

【ここから、番組1回作るのに必要となる業務を長々と書きます。】

 

 最後に就いた番組は基本的にスタジオトークとロケで構成される。

 各回でスタジオに呼ぶゲストのくくりを決まり、それに合うようなタレント・素人をリサーチするところからADの仕事は始まる。会議で決定が出されるまでリサーチは終わらない。ゲストが決まると打ち合わせをする。スタジオトーク展開やロケの構成など、何ができるかが大方ここで決まる。ADの動きとしては、この打ち合わせが終わり次第書き起こしをすることになる。基本的にここでは「なるべく早く」が求められるため、打ち合わせが何時に終わってもすぐに作業に取り掛かる。

 もし、会議を受けて、スタジオでのサブ出し用(スタジオで出演者が見るVTR)にロケをすることになったらなかなか大変なことになる。まずはロケ地の仕込みをする。ロケの構成でやろうとしていることを叶えられるように、飲食店やレジャー施設など、ロケ地をリサーチして撮影許諾を取る。ロケ当日までにスケジュール、段取りを調整し、撮影機材を準備。ロケ当日はロケの進行、テープの管理などをし、戻ってきたら素材をデジタイズする(テープの映像を編集にかけられるようデータ化する)。デジタイズには撮った時間分の時間がかかり、例えば2つのカメラで計10時間撮っていればそれだけデジタイズに時間が取られる(複数のパソコンを使ってデジタイズすれば、撮った時間÷その台数に時間を短縮できる)。ロケが夜までかかれば、大抵その日は帰れない。素材をデジタイズしてそれを外付けHDDにコピーしたり、ロケ素材のタイム同期(同時刻に複数台のカメラで撮っていた場合、同じタイムごとにAカメ、Bカメを切り替えてすぐ見られるようにデータを整理する)をしていたら朝になる(当たり前だけど、これら一連の業務を1回の収録に必要なロケの分だけ行う)。

 そうしてロケ素材のデータをコピー、整理した外付けHDDをディレクターに渡すと、ディレクターがオフライン編集をする(パソコン上でロケ素材等を切り貼りしてつなぐ)。そこでVTRの構成上必要になる映像や写真があれば許諾先を調べて映像を借りる(例えばモデルがゲストなら、そのモデルを紹介するためにランウェイを歩いている映像や、表紙を飾っている雑誌など)。

 オフラインが終わると番組の演出からチェックを受け修正、それも終わると編集所で編集作業に入る。編集所では、編集機を操作するオペレーターに指示して、パソコンでつないだ映像の色味調整、テロップ入れ、イラストの挿入、音調整・BGM・SE入れ、ナレーション収録などを行う。そうして、テレビで見ているVTRに近い状態の映像を作る。編集におけるADの仕事としては、随時ディレクターから指示される素材探し(ロケ素材から必要となる画を探す、イラストを発注するなど)、テロップや写真のデータをオペレーターに渡す、VTR上の情報確認、関係各所とのやりとり、出前の発注など。編集には、スタジオ収録の2~3日前から入り、収録直前までかかる。その間に、基本的にADは寝てはいけないことなっている(なんでだよ)。その裏で、他のADは収録備品の確認をしたり、カンペを書いたり、台本を印刷したりする。

 スタジオでの収録が終わると、収録素材のテープを業者に持ち込んでデジタイズする。そして編集しやすいようにデータを整理して外付けHDDにまとめ、本編(実際に放送される番組)の編集を担当するディレクターに渡す。そこからオフラインが始まり、また必要となる映像や写真が出てくれば随時集めていく。その先はサブ出し用のVTRの編集までの手順と同じように、演出のチェックを受け、修正が終われば編集所に入って編集をする。本編の編集には3日~4日かかり、スケジュールにもよるけど編集日が間を空かずに続けばやはりその間ADは寝られない(もう、なんなんだよ)。

 収録は2週間ごとに行われ、本編の担当はおおよそ3週間ごとに回ってくる。 

 他にもAD業務として会議準備とか細かいことは色々あるけど、ざっくり書くとADの業務はこんな感じ。多分、どういうことかほとんどわからなかったと思う。

 

 今回の更新は一旦ここまで。次は、番組を制作するチーム体制と、なぜ辞めたのかということについて書いていく。